磨崖仏

巨岩に刻まれた七体の仏が、松本一族の祈りと信仰を静かに語りかける

磨崖仏とは、巨大な岩や岩壁に彫られた仏像のこと。

県内では「大悲山の石仏」が広く知られますが、葛尾村にも堂々とした磨崖仏群が残されています。

間近で見上げる高さ5~6メートルの大岩は圧巻。

岩肌に大日如来・阿弥陀如来・文殊菩薩・聖観音菩薩・地蔵菩薩・不動明王・虚空蔵菩薩の七体が刻まれており、肉眼でも拝むことができます。

文化史的価値の高さもさることながら、静謐な山の空気に包まれながら仏像群と向き合う時間は、訪れる人に深い印象を残します。


この磨崖仏は、1709年頃、葛尾村で栄えた松本一族――いわゆる「葛尾大尽」によって造られたと伝わります。

造立の願主は同家2代目の三九郎重供(しげたす)。

残された願文には、次の文言が記され、一族の安泰と繁栄を深く祈念したことがわかります。

「六親眷属」…初代・三九郎好倉を含む6代前までの先祖代々の霊

「七世父母」…願主本人(三九郎重供)

「現当二世安楽」…後の当主となる8代目・博通と9代目・聰通


なお、磨崖仏は葛尾大尽屋敷跡公園近くの坂道を登った先にありますが、道幅が狭く急勾配なため通行には注意が必要です。

また、史跡保護のため、仏像へ登ったり触れたりする行為は禁止されています。

地域に受け継がれてきた祈りの遺産を、大切に見守りながら訪れましょう。

基本情報

住所
〒979-1601 福島県双葉郡葛尾村葛尾143
アクセス
船引三春ICから車で約65分
JR船引駅から車で約40分
JR郡山駅から車で約70分

※営業時間や定休日、料金など変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。

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